緑がかったガラスを見たことありませんか?
このガラス、めちゃめちゃいいガラスです。

新築を考えている方や窓のリフォームを考えている方は聞いたことがあるかもしれませんが、高断熱ガラスには『Low-E』と呼ばれる金属膜が使われています。
Low-Eは
Low Emissivity
の略で、低放射という意味です。
この記事では、Low-Eガラスについて紹介しています。
Low-Eガラスとは?
熱の伝わり方には3種類あります。
□伝導
□対流
□放射
です。
伝導とは、物体の内部を通って熱が移動することです。
フライパンを直接触ると熱いのは伝導によるものです。
対流とは、気体や液体に乗って熱が移動することです。
湯気が熱いのは水蒸気に熱が乗っているからです。
放射とは、太陽や焚き火、コンロといった熱源から直接熱が伝わることです。
真夏のジリジリした暑さや冬場のポカポカ陽気は放射によるものです。
そして、住宅に入ってくる熱、出ていく熱の75%は放射によるものです。
複層ガラスやトリプルガラスといった、ガラスとガラスの間に空気が入っているガラスがありますが、この空気の層は「伝導」と「対流」を防ぐのに有効です。
しかし、放射を防ぐには、さらに特別な加工が必要になります。
それが、Low-Eと呼ばれる金属膜です。
このLow-Eが使われているガラスを『Low-Eガラス』と呼びます。

Low-Eに種類はある?
Low-Eガラスには種類があります。
緑がかっているものや青みがかっているものは見たことがあるかもしれません。
Low-Eガラスの種類は2つ。
□日射取得型
□日射遮蔽型
です。
日射取得型とは、放射による熱を少しは取り入れる型です。
防ぎたいのに取り入れては意味がないのでは?と思われるかもしれませんが、リビングの大きい窓を想像してみてください。
おそらく、家の中で一番日当たりの良い窓ではありませんか?
こういう窓では、冬場でも暖かい日光が入ってきますが、このポカポカ陽気を遮ってしまうのはもったいないです。
せっかく暖かいので、断熱はしつつ、太陽の熱は少しは取り込もうというのが『日射取得型』です。
お見積書などには、高断熱ガラス(クリア)のように、クリアと書いてあります。
日射遮蔽型とは、放射による熱のほとんどを弾き返す型です。
こちらはとにかく断熱性能が良いので基本的には、日射遮蔽型を選ぶことをおすすめしています。
たとえば、お風呂やトイレは日当たりの悪い側に作られることが多いのですが、そもそも日光が入ってきませんので断熱性能が良い日射遮蔽型の方が快適になります。
お見積書などには、高断熱ガラス(グリーン)もしくは高断熱ガラス(ブルー)のように、グリーンやブルーと書いてあります。
ちなみに、リビングであっても西日がきつかったり、冷暖房ガンガン使っていますというお宅は日射遮蔽型を選んでもよさそうですね。
選び方のポイント
クリアとグリーン(ブルー)の2種類あることが分かりました。
リビングはクリア、お風呂やトイレはグリーンがおすすめですと紹介させていただきましたが、さらに詳しく説明していきます。
まず、地域に合わせる考え方があります。
東北、日本海側は日射量が少なく寒い地域ですので、グリーンをメインに、リビングをクリアにすることで、快適にすることができます。
沖縄や太平洋側は、日射量が多く暖かい地域ですので、夏の暑さを優先し、グリーンをメインにすることで快適になります。
そのほかの地域は、日射量が少なめで比較的暖かい地域ですので、冬のポカポカ陽気の取得を優先し、クリアをメインにすることで快適になります。

次に、方角に合わせる考え方があります。
北の窓:日差しが入りにくいので、冬の寒さや結露対策を優先し『グリーン』。
東の窓:朝日を取り込みために大きい窓が採用されているかもしれません。日射熱対策として『グリーン』。
西の窓:夏場は西日がキツイので『グリーン』。
南の窓:冬にたっぷりと日差しを取り入れたいので『クリア』。

※画像はLIXILのカタログを使わせていただきました。
上記のように、お宅のある地域や向きを気にしてみる考え方ができます。
もちろん一例ですので、部屋の用途に合わせてもいいですし、全面グリーンにしてもいいです。
リフォームをするときも同様で、新しくするガラスをLow-Eにする場合はクリアやグリーンを気にしてみてください。
まとめ
最後までご覧いただきありがとうございました。
Low-Eなんて普段聞かない言葉ですが、実は身近なものなんです。
住宅のおいて窓の断熱はすごく重要なポイントですし、見過ごされやすいポイントでもあります。
この記事が少しでもお役に立てればうれしいです。