強化ガラスの特徴とは?
強化ガラスの特徴は、固さと割れ方の二つあります。
まず、通常のガラスの3~5倍程度固いです。
割れ方は、大きな破片にならず、ボロボロの細かい破片になります。
どちらかというと、割れ方の方が重要で、ケガをしにくいというところがポイントです。
強化ガラスはどうやって作るの?
強化ガラスは、素材を溶かして形を作った、まだ熱々の板ガラスに風を当てて急速冷却して作ります。
そうすると、先に固まる表面とあとから固まる中心の3層の構造になります。
それぞれ、
表面:圧縮応力層
中心:引張応力層(ひっぱりおうりょくそう)
と呼び、表面と中心が引っ張りあっている状態になるので、固いガラスが出来上がります。
表面の圧縮応力が効いているので、めちゃくちゃ固いのですが、中心の引張応力の層にダメージが入ると砕け散ります。
どうやって、固い表面を突破し中心にダメージを与えるかというと、尖ったものでこずくか、側面を叩きます。
そうすると、中心から爆発したように割れます。
こういう特徴があるので、防犯効果は全くありません。
強化ガラスはどんなところに使われるの?
強化ガラスは、
・学校
・車のサイドガラス
・自動ドア
・ビル
などに使われます。
これは、万が一割れてしまったときにケガをしないような場所に使われています。
例えば車のサイドガラスは、水没以外に、事故や暴風時に開かなくなることがあります。
この時、先端の尖ったレスキューハンマーで叩くと割れて、脱出することができます。
脱出するときに、破片が尖っていなく、ボロボロになっているので、深刻なケガにはなりにくいのです。
強化ガラスの亜種
強化ガラスには、防火地域に使える「耐熱強化ガラス」という亜種があります。
防火地域とは、家や道路が密集しており、火事になったときに周りに延焼する恐れのある地域のことをいいます。
防火地域には、金網の入っている「網入りガラス」を使うことが義務付けられていますが、網入りガラスは、金網が太陽に熱され割れるリスクがある上に、視界の邪魔という弱点があります。
耐熱強化ガラスには金網が使われていませんので、このリスクを減らすことができます。
開放感のある建物を作るために、ビルなどで使われることが多いです。
防犯ガラスとの違い
よくある勘違いに、強化ガラスを防犯ガラスだと思っていることが挙げられます。
これは全くの別物で、強化ガラスは、割れても安全なガラスです。
一方防犯ガラスは、割れても貫通しないガラスです。
防犯ガラスの構造は、2枚のガラスを両面テープのような膜で圧着されているガラスです。
1枚目のガラスが割れても、中間膜が邪魔をして、突破できないようになっています。
この特徴が防犯ガラスにはあるので、侵入対策や台風対策に有効なガラスです。
強化ガラスは、尖ったものが飛んで来たら簡単にボロボロに割れてしまうので、飛来物対策にはなりえません。
まとめ
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
強化ガラスは、ただ固いのではなく、割れてもケガをしにくいところがポイントのガラスです。
実際めちゃくちゃ固いのですが、中心の層にダメージを入れると簡単に割れてしまうので、防犯効果はありません。
強化ガラスのスマホフィルムがありますが、横から落としたり小石の上に落とすとこの原理で割れますので、決して万能ではないということを知っておいてください。